さちこさんが瓶を手に取りました。
「朝って書いてあるのもあれば、寝る前ってのもあるな」
まさはるさんが、老眼鏡を外します。
「どっちなのかしら」
酵素ドリンクやサプリを摂るタイミングについては、 さまざまなことが言われています。
朝がいい、夜がいい、食前がいい、空腹時がいい。 どれが正しいのでしょうか。
結論から言うと、決まりはありません。 この記事では、そのうえで何を目安にすればよいかを考えます。
- タイミングに決まりはあるのか
- 食前・食後で何が変わるか
- 朝と夜、それぞれの考え方
- 続けやすさという基準
タイミングに決まりはあるのか
まず、はっきりさせておきます。
酵素ドリンクやサプリは、食品です。
医薬品のように「いつ・どれだけ飲むか」が定められているわけではありません。
医薬品であれば、体内の濃度を保つために 時間が指定されます。1日3回、食後30分以内、といった形です。
食品には、そうした決まりがありません。 製品に「1日◯ml」と書かれているのは目安量であって、 時刻を指定するものではないのが通常です。
広告で「朝がおすすめ」「寝る前に」といった 表現を見ることがありますが、 **これらは製品ごとの提案であって、 科学的に確立された指針ではありません。**
食前・食後で何が変わるか
まったく変わらないわけではありません。
胃の状態が違う
空腹時の胃は、内容物がありません。 食後の胃には、食べたものが入っています。
一般に、空腹時のほうが吸収は早いとされています。 胃を通過する速度が違うためです。
糖分を含む場合の注意
酵素ドリンクは糖分を含みます。
空腹時に糖分を含む飲料を摂ると、 血糖の上がり方が食後より急になることが知られています。
血糖について医師から指導を受けている方は、
タイミングを自己判断せず、必ず相談してください。
胃が弱い場合
酵素ドリンクは酸味があります。 空腹時に飲んで胃に違和感がある場合は、 食後や食事中に変える、水で薄めるといった方法があります。
体に合わせて調整して構いません。
朝と夜、それぞれの考え方
よく言われる説を、いくつか整理します。
| 説 | 根拠とされるもの | 評価 |
|---|---|---|
| 朝がよい | 一日の始まりに摂る | 習慣化しやすいという利点はある |
| 寝る前がよい | 眠っている間に吸収されるという説 | 明確な根拠は示されていない |
| 空腹時がよい | 吸収が早い | 吸収速度は変わるが、良し悪しは別 |
| 食後がよい | 胃への刺激が少ない | 胃が弱い方には合理的 |
どれも「そう言われている」段階のもので、 確立された指針ではありません。
朝が選ばれやすい理由
実用的な理由として、 朝は習慣にしやすいという点があります。
朝食の前、歯磨きのあと、新聞を読むとき。 毎日必ず通る時間帯に組み込めば、忘れにくくなります。
夜は、外出や来客で予定が崩れることがあります。 続けるという観点では、朝のほうが有利かもしれません。
他の食品との組み合わせ
一緒に摂るものについても、よく質問があります。
水で薄める
原液のままだと味が濃い、酸味が強いという場合、 水や炭酸水で薄めて構いません。
薄めることで成分が減るわけではありません。 飲む量が変わらなければ、摂取量は同じです。
温かいものに入れる場合
白湯に混ぜて飲む方法もあります。
ただし、高温では成分が変化することがあります。 熱湯ではなく、ぬるめの湯にするほうが無難です。
「温めると酵素が壊れる」という話がありますが、 そもそも製品に酵素はほとんど残っていません。 ただし、ビタミンなど熱に弱い成分はあります。 飲みやすい温度で構いません。
牛乳やヨーグルトと
酸味のある飲料を牛乳に入れると、 分離することがあります。味の問題であって、 害があるわけではありません。
気になる場合は、別々に摂ってください。
続けやすさという基準
ここまで見てきて、言えることはひとつです。
タイミングを厳密に選ぶより、続けられる時間を選ぶほうが実際的です。
朝の歯磨きのあと、夕食の前など。
食卓の上、冷蔵庫の手前。目に入る位置に。
「7時に」より「朝食の前に」のほうが守りやすい。
1日空いても問題ありません。翌日から再開します。
食品ですから、**1日飲まなかったからといって 何かが失われるわけではありません。** 厳密に守ろうとして負担になるくらいなら、 気楽に続けるほうが結果として長く続きます。
期間についての考え方
「どのくらい続ければよいか」という質問もあります。
食品なので、期間の定めはありません。 薬のように「1週間で飲み終える」といった 決まりがあるわけではないためです。
食品は、続けるかどうかを自分で決められます。
合わないと感じたらやめてよく、
続けたければ続けて構いません。
やめどきについて
次のような場合は、いったんやめて様子を見てください。
- 飲んだあとに体調の変化を感じる
- 味や香りが受けつけなくなった
- 経済的に負担になっている
体調に気になる変化があった場合は、 **続けるかどうかを自己判断せず、 かかりつけの医師にご相談ください。** 何を飲んでいるか、製品のパッケージを 持参すると話が早くなります。
一日のどこに置くか
続けるうえで、実際に何時ごろがよいのか。 生活のパターンから考えてみます。
| パターン | 向いている時間 |
|---|---|
| 朝が規則的 | 起床後、朝食前 |
| 昼が不規則 | 朝か夜に |
| 夜が規則的 | 夕食前、入浴後 |
| 外出が多い | 家にいる朝か夜 |
予定が崩れにくい時間を選ぶ
大事なのは、予定が崩れにくい時間です。
昼は外出や来客で変わりやすく、 夜は付き合いや行事で崩れます。
その点、朝は最も安定しているという方が多いようです。 起床、洗面、新聞、朝食。 毎日ほぼ同じ順番で進むためです。
ご家族が用意する場合も、 決まった時間より、決まった行動に結びつけるほうが 忘れにくくなります。 「朝ごはんを出すとき一緒に」といった形です。
量について
タイミングと合わせて、量にも触れておきます。
製品に記載された1日の目安量を守ってください。
多く摂れば何かが増えるというものではありません。 糖分を含む製品では、量が増えれば そのぶん糖分の摂取量も増えます。
| 項目 | 見る場所 |
|---|---|
| 1日の目安量 | 製品の表示 |
| 1回量 | 同上 |
| 薬との飲み合わせ | かかりつけの医師・薬剤師 |
薬を飲んでいる場合
服薬中の方は、医師または薬剤師に相談してください。
食品であっても、成分によっては 薬の作用に影響することがあります。 自己判断で併用しないでください。
まとめ
-
1
酵素ドリンクやサプリは食品です。飲む時間の決まりはありません。
-
2
「朝がよい」「寝る前がよい」は、確立された指針ではありません。
-
3
空腹時は吸収が早いとされますが、糖分の影響も大きくなります。
-
4
胃に違和感がある場合は、食後や食事中に変えて構いません。
-
5
厳密なタイミングより、続けられる時間を選ぶほうが実際的です。
-
6
血糖の指導を受けている方、服薬中の方は、必ず医師にご相談ください。
まさはるさんが聞きました。
「新聞を取りに行く前って決めたのよ。忘れないから」
さちこさんが答えます。
「よく分からんが、まあ、それでいいんだろうな」
まさはるさんは、まだ納得していない顔でした。
決まりはありません。食品なので、飲む時間の決まりがないためです。 朝・夜・食前・食後、いずれも確立された指針はありません。 続けやすい時間を選んでください。
空腹時のほうが吸収は早いとされますが、 糖分を含む製品では血糖の上がり方も急になります。 血糖について指導を受けている方は、医師にご相談ください。
そう言われることがありますが、 明確な根拠は示されていません。 夜に飲みたい場合は、胃への負担がないか様子を見てください。
問題ありません。食品ですので、 1日空いたからといって何かが失われるわけではありません。 翌日から再開してください。
必ず医師または薬剤師にご相談ください。 食品であっても、成分によっては薬の作用に影響することがあります。 自己判断での併用は避けてください。
いいえ。製品に記載された目安量を守ってください。 糖分を含む製品では、量が増えればそのぶん糖分も増えます。
食品添加物は使用していません。1日あたり約189円。
※この記事は、酵素という物質についての一般的な情報をまとめたものです。
特定の食品の効果・効能を示すものではありません。
※登場人物は物語上の設定です。
※健康食品は医薬品ではありません。
体調に不安のある方は、かかりつけの医師にご相談ください。
監修:菊地睦(げんき生活株式会社 代表取締役)


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