便意はあるのに、トイレに行っても出ない。
いきんでも少ししか出ない。途中まで出かかって、そこから進まない。
高齢者の「出そうで出ない」の対処法は、強くいきむ前に「座り方を変える」ことから始まります。
70代・80代でこの状態が起こるのは、便がないのではなく、出口で止まっていることが多いためです。
この記事は、ご本人と、そばで見ているご家族に向けて書いています。
5つのケアを、試す順番つきでお伝えします。
- 70代・80代に「出そうで出ない」が起こりやすい3つの理由
- 今すぐ家庭でできる5つのケアと、試す順番
- すぐに受診したいサインと、様子を見てよい目安
70代・80代の高齢者に「出そうで出ない」が多い3つの理由
ケアの前に、体に何が起きているかを短くお伝えします。
理由がわかると、どのケアから試せばよいかが決まります。
いきむ力が落ちている
便を押し出すときには、お腹に力を入れます。
年齢とともに腹筋や骨盤のまわりの筋肉が落ちると、この力が弱くなります。
便が出口の近くまで来ていても、最後のひと押しが届かない。
これが「出そうで出ない」の形のひとつです。
便が硬い、または形にならない
水分や食物繊維が足りないと、便が硬くなります。
硬すぎる便は、いきんでも動きません。
逆に、やわらかすぎて形にならない便も出にくくなります。
コロコロした便も、ベタつく便も、どちらでも起こります。
便意を感じる感覚が変わる
年齢とともに、便意の感じ方は変わります。
準備ができていても便意として届かない、弱い便意が途切れ途切れに来る、ということが起こります。
その結果、いきむタイミングが合わなくなります。
「便がない」のではなく「出口で止まっている」ことが多い。
だから、便を作る工夫より先に、出口の通り道と姿勢を整えるケアから試します。
便秘そのものの考え方は60代から薬に頼らない便秘対策に、弛緩性便秘と言われたときの食事と習慣は弛緩性便秘と言われた60代の方へにまとめています。
今すぐ家庭でできる5つのケア|出そうで出ない時の対処法
ここからが本題です。
上から順に試してください。出なければ次へ進みます。
前かがみで、足元に台を置きます。いちばん手軽で、体への負担がありません。
おへそのまわりを「の」の字にゆっくりさすります。
白湯や味噌汁を飲んで、15〜30分待ちます。
4秒吸って8秒吐く呼吸を10回。体の力を抜きます。
15分、別のことをしてから戻ります。
ケア1:前かがみで座り、足元に台を置く
便座に浅く腰かけ、上半身を太ももに近づけるように前かがみになります。
両ひじをひざの上に置くと、自然に前傾の姿勢になります。いわゆる「考える人」の姿勢です。
足元に台を置いて、ひざが腰より高くなるようにします。
前かがみで足を上げる姿勢のほうが楽だった、という方が多い座り方です。
台は、トイレ用の踏み台のほか、丈夫な箱でも代わりになります。
高さは20センチ前後が目安です。
ケア2:おへそのまわりを「の」の字にさする
座ったままか、横になって行います。
右手の指を3〜4本そろえて、おへその右下に当てます。
右下から右上、上を通って左上、左下へと、「の」の字を書くようにゆっくり動かします。
強く押さず、痛くない力で10〜20回。終えたら5分ほど待ってからトイレへ向かいます。
ケア3:温かいものを一杯飲む
温かいものを飲んでしばらくすると楽になった、という方が多い時間帯があります。
朝起きてすぐと、食事のあとです。
| 飲むもの | 向いている場面 | 飲み方 |
|---|---|---|
| 白湯(40〜50℃) | 毎朝の習慣にしたいとき | コップ1杯をゆっくり |
| 温かい味噌汁 | 食事と一緒にとりたいとき | 1杯をゆっくり |
| 温かいお茶 | 白湯が味気ないと感じるとき | 熱すぎない温度で1杯 |
飲んでから15〜30分ほどたったら、ケア1の姿勢でトイレに座ります。
組み合わせると、どちらか一方より試しやすくなります。
ケア4:息を深く吐く
力んでも出ないとき、体はたいてい緊張しています。
いったん力を抜くために、呼吸を使います。
鼻から4秒かけて吸い、口から8秒かけて吐きます。
お腹がふくらんで、へこむのを感じながら10回ほど。時間にして3分ほどです。
トイレに座ったままでも、椅子に移ってもかまいません。
ケア5:いったんトイレを離れて15分待つ
1から4まで試しても出ないときは、いったん離れます。
長くいきみ続けるより、15分ほかのことをするほうが、体の力が抜けます。
テレビを見る、洗濯物をたたむ、温かいものをもう一杯飲む。
15分たったら、もう一度ケア1の姿勢で座り、強くいきまずに待ちます。
強くいきみ続けるのは避けてください。
長時間いきむと、血圧や体への負担が大きくなります。出ないときは、いったん離れるほうが安全です。
心臓や血圧の持病がある方は、いきみ方について主治医に一度聞いておくと安心です。
便秘で受診したいサインと、様子を見てよい目安
家庭のケアで様子を見てよいときと、先に医療機関へ行ったほうがよいときがあります。
ご家族が知っておくと、迷わずにすみます。
| サイン | 見方 |
|---|---|
| 強い腹痛がある | 便秘以外の原因も考えられます |
| 吐き気や嘔吐がある | 早めの受診をおすすめします |
| 便に血が混じる | 自己判断せず受診してください |
| 1週間以上出ていない | 家庭のケアだけで続けないでください |
| 体重が急に減った | ほかの不調と重なっていないか相談を |
これらがないときは、家庭のケアを続けながら様子を見られます。
出る間隔を目安にすると、相談するかどうかを決めやすくなります。
| 出る間隔 | 見方 |
|---|---|
| 2〜3日に1回は出ている | 家庭のケアを続けて様子を見る |
| 4〜5日に1回でも、つらさが軽い | ケアを続けながら、食事と水分を見直す |
| 1週間に1回ほど | 受診を相談することを検討する |
| 1週間以上出ていない | 家庭のケアを続けずに受診する |
浣腸や座薬を使っている方は、自己判断で回数を増やさないでください。
使う前に、薬剤師か主治医に相談してください。
便秘薬を長く飲んでいる方は、酸化マグネシウムを卒業したい方へと、70代・80代に絞った酸化マグネシウムを卒業したい高齢者へもあわせてご覧ください。薬の量や回数の見直しは、自己判断せず主治医と相談しながら進めてください。
くり返さないための3日間の過ごし方
一度出せても、体の状態が同じなら、また同じことが起こります。
出たあとの3日間で、毎日の形を整えます。
出たあとの3日間は、朝に白湯を1杯、味噌汁を朝と夕に、食後に15分歩く。
この3つを続けながら、朝食後30分以内に5分だけトイレに座る時間を作ります。
大切なのは「出さなければ」と焦らないことです。
時間を決めて座る習慣のほうが、力んで出そうとするより続きます。
続け方をもう少し詳しく知りたい方は、弛緩性便秘と言われた60代・70代へにまとめています。
水分のとり方は70代・80代の水分補給とお通じの関係をご覧ください。
毎朝の一杯に足すなら|白湯と酵素ドリンク
朝の白湯は、ケア3でお伝えしたとおり、いちばん手軽な一杯です。
食が細く、固形物が進まない日が続くときは、白湯に溶かして飲める形のものもあります。
私たちの「大地のちから」は、野草・野菜・果物・穀物・海藻など80種類の植物素材を、陶製かめで1年以上かけて発酵・熟成させた飲み物です。
原材料は野草酵素発酵エキスと砂糖だけで、食品添加物は使っていません。商品ページでは、40〜50℃の白湯に20ml溶かす飲み方を案内しています。
薬を飲んでいる方は、始める前に主治医か薬剤師に一言伝えてください。詳しくは商品ページをご覧ください。
固形物が辛いときの選び方は食が細い70代・80代の親の栄養補給に、錠剤が飲みにくい場合は錠剤やカプセルが飲みにくい70代・80代へにまとめています。
よくある質問
「出そうで出ない」について、よくいただく疑問をまとめました。
ケア1の座り方からです。道具も力もいらず、体への負担がいちばん小さいためです。出なければ、2、3、4、5の順に進めてください。
強くいきみ続けるのは避けてください。1週間以上出ていない場合や、強い腹痛がある場合は、家庭のケアを続けずに受診してください。
自己判断でやめたり減らしたりしないでください。薬の見直しは主治医と相談しながら進めます。家庭のケアは、薬を続けたままでも試せることがほとんどですが、気になる場合は主治医にお伝えください。
踏み台を用意する、朝に温かい一杯を出す、食後に一緒に歩く。この3つから始めてください。離れて暮らしている場合の関わり方は、70代の母のお通じが心配な方へにまとめています。
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1
「出そうで出ない」は、便がないのではなく出口で止まっていることが多い。まず座り方から試す。
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2
順番は前かがみで座る→お腹をさする→温かい一杯→深い呼吸→いったん離れる。強くいきみ続けない。
-
3
強い腹痛・嘔吐・血便・1週間以上出ない・体重減少のいずれかがあれば、家庭のケアを続けずに受診する。
つらいときほど、力を入れて何とかしようとしてしまいます。
けれど、出口の通り道を整えて、体の力を抜くほうが、結果として楽になることが多いものです。
まず今日、踏み台と前かがみの姿勢から試してみてください。
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1年以上かけて発酵・熟成させた飲料です。
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※この記事は、食事や食品に関する一般的な情報をまとめたものです。
特定の食品の効果・効能を示すものではありません。感じ方には個人差があります。
※健康食品は医薬品ではありません。
体調に不安のある方、持病のある方、薬を飲んでいる方は、かかりつけの医師にご相談ください。
監修:菊地睦(げんき生活株式会社 代表取締役)

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